「鬼灯の冷徹」を知って、心が楽になった話。
「鬼灯の冷徹」について
「鬼灯の冷徹」は地獄を舞台に、そこで働く鬼灯様と獄卒たちや、地獄の住人たちの日常をコミカル(?)に描いた作品だ。
原作は漫画だが、私はアニメを勧められてハマり、シリーズを通して繰り返し見続けている。
緻密で美しい絵と、メタ要素を織り交ぜながら作りこまれた世界観がとても魅力的だ。
日本の神話や地獄についての豆知識もふんだんに盛り込まれ、キャラクター達もどこか共感できる一面を持っていたりと、噛めば噛むほど味のある作品だと思っている。
そんな中で、私の推しはやはり鬼灯様だ。
鬼灯様こそが、心を楽にしてくれたからだ。
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ハマり過ぎて買ってしまったジャンボぬいぐるみ。
結構なヒト感。 夜に帰宅して薄闇に姿が見えると心臓が飛び出る。 |
心が楽になる理由1:堂々とした愛想のなさ
心が楽になるのは、鬼灯様の振る舞いが、私が後悔している自分の振る舞いに似ているからだ。
私はあまり表情が豊かなほうではない。
加えてきつめの顔立ちをしているため、さらに冷たく見えてしまう。
だからと言って、愛想を振りまくことも苦手だ。
それは昔からで、子供のころ親が私の写真を撮ろうと「笑って~」と言ったら、「面白くないのに笑えない」と言い放ったクソガキだったらしい。
こうなると男女ともに当然モテない。
それでも容姿が良ければ人が引き寄せられるのかもしれないが、そんな恵まれた容姿ではない。
もちろん愛嬌がないことだけがモテない原因ではないが、もっと関わりやすい雰囲気を作れていれば…と後悔することが少なくない。
(実際に近寄りがたいと言われたこともあるし、客観的に見て自分でもこの人には話しかけづらいなと思う)
そんな中出会った鬼灯様は、愛想ゼロ、表情ゼロ(怒りの表情はヒャク)。
それをダメだと思ったり変えようとしたりという気持ちは一ミリもなく、むしろ堂々と自分なりに楽しく生きている。
(周りも怖いと思いながらついつい引き寄せられている)
鬼灯様だって、こんなじゃん。
私一人がツンケンしているわけじゃないよね。
架空のキャラクターを引き出して何を…と思われるかもしれないが、変えられない過去の愛想のない私を後悔する度に、鬼灯様と一緒だと思うことで心を落ち着かせることができるのである。
心が楽になる理由2:閻魔からの無茶ぶり
これは会社に勤めていた時だが、比較的暇なのに定時間際で仕事を振られることが度々あった。
何よりも時間が大切な私は、とてもイライラしてしまっていた。
恐らく態度にも出ていたと思う。
(一日中忙しくてさらに追加で、なら喜んで対応する。
癪に障るのは、夕方まですることがスカスカなのに、なぜ今になって今日中のタスクを振って来るのかということだ。
色々なタイミングがあって仕方ないし、残業代は出るんだから、文句を言うなという意見もあると思うが…)
そんな時、鬼灯様を思い出す。
閻魔大王に定時間際に仕事を振られてぶちぎれている鬼灯様を…。
私は鬼灯様だと自分を奮い立たせることもできるし、鬼灯様も不快感をあらわにしていると自分のイライラを正当化することもできる。
鬼灯様は私の歪んだ精神安定剤だった。
本質的には…
ここまで鬼灯様との共通点や共感点を挙げてきたが、壊滅的に異なる点がある。
鬼灯様はエリートである。
地獄の仕組みを一から整え、この世でいう官房長官の位に位置し、朝から晩まで働く容姿端麗なスーパーエリートである。
無職でぐうたらな私とは根本的に違うのである。
時々ここにハッと気づき我に返る。
本質的には私は檎(ごん)だ。
とにかく面倒がりで、受験戦争・就職活動・出世・結婚などあらゆることから離脱した、「楽して儲けたい」が口癖の狐。
…まあそんなこと言いつつこいつも立派に店長やってるけど。
無職という弱点はどのキャラクターでもカバーできないようである。
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