本物の一目ぼれ

2025年7月7日

日常

アイキャッチ

ドラマや映画で美しく描かれる一目ぼれ。
充分ときめきを覚えていたけれど、ある映像を見て、本物の一目ぼれの静かな力に心を奪われた。

恋愛もの好き

私は恋愛ものが好きだ。
少女漫画から始まって、小説、ドラマ、映画と、恋愛ものを選ぶことが多い。

お互いに「自分にはこの人しかいない」と感じる、運命の相手との恋物語が特に心を動かす。
中でも、相手がヒロインに片思いしていたり、別の男性と接していることに嫉妬していたりと、男性側の熱量の方が高い場面にきゅんとくる。

最近はもっぱら韓国ドラマを見ているが、さすが韓流、そういった場面が盛りだくさんである。
特に一目ぼれのシーンは秀逸だ。
画面全体がキラキラのエフェクト満載、あらゆる角度からのカット、そして俳優のはっとした表情。
思わず息を止めてしまう。

完璧に作りこまれた一目ぼれシーンに夢中になっていたある日、とあるYouTube動画を知った。

世界ウルルン滞在記に収められた本物の一目ぼれ

それは「世界ウルルン滞在記」の一コマだった。
当時18歳の竹内結子さんが、スイスの村に滞在する回。
お世話になる家に到着しドアをノックすると、出迎えてくれたのは19歳の長男ルーカスくんだった。

「初めまして、竹内結子です。よろしくお願いします…」と日本語でおずおず挨拶する竹内さん。

自身も自己紹介をし、握手の手を差し出したルーカスくんは、相手の顔を見るなり、はっとした顔で少しよろめいた後、固まってしまう。
驚いた表情で相手を見つめ、口は開いているが、言葉を失っているようだった。

一目ぼれって、本当にこうなるんだ…。

ドラマのようだった。むしろ、それよりも美しく、心臓が震えた。

異国の地で出会った、同じ年頃の、顔立ちの整った少年にこんな反応をされたら――どんな気持ちになるのだろう。

自分がお姫様になったような高揚感だろうか。
それとも、やっと会えたという安堵感だろうか。

現実にこんなことがあるのだという甘いときめきと、されど自分には生涯訪れないだろうという絶望といっても過言ではないほどの虚しさがないまぜになった余韻にしばらく浸っていた。

その後、ルーカスくん一家と過ごして別れを経て、数年後にもう一度家族を訪れたり、ルーカスくんが日本に来たりもしていた。

以降、ルーカスくんと会うことはあったのだろうか。
動画に収められた物語が再び動き出すことは永遠にないことを思い出すと、心がきゅっと締め付けられるようだ。

粗い画質のほんの数十秒が、様々な感情を掻き立てる。
本物の一目ぼれは、どれだけ映像が進化しても、どんなクリエイターでも、なかなか生み出せないであろう上質なワンシーンだった。

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ねふぇ

面倒がりな30代。気楽に生きたい。 ゲーム好きが高じ、今更ゲーム開発や3DCGに興味を持ち始める。 アウトプットがとにかく苦手なため、荒療治でブログを始めてみる。 女性芸人の日常トーク系動画や日常系アニメ/漫画など、共感できる、一人じゃないと思えるコンテンツに助けられている。 漠然とした生きづらさを抱える女性に向けて、自分もそんなコンテンツを作れるようになりたい。

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